映画『レッドクリフ』と漢詩
4月末に映画「レッドクリフ パートⅡ」を観てきました。日頃いろいろな漢詩に接している私には「赤壁の戦い」つまり「三国志」の映画ということで大変期待して出かけました。西暦180年、「漢」の王朝が亡び中国では群雄割拠の時代となり各地で戦が始まります。当時最も勢力の強い3強となったのが曹操軍と劉備軍、孫権軍でした。彼らは以後50年に亘り戦を繰り返しました。最終的にはそれぞれが魏(曹操皇帝)呉(孫権皇帝)蜀(劉備皇帝)という名前の国を作ってしまうのです。歴史上有名な三国時代です。中国はその後再び統合され「晋国」となり以後、隋・唐・宋・元・と国名を変えながら統一国家が続きます。ひごろ私が楽しんでいる詩吟の「李白や杜甫などの詩人」は大部分が「唐」の時代ですから、レッドクリフの主人公は李白より400~500年も前の人たちでした。今からは1800年も前の物語となります。中国、長江の南岸「赤壁」での戦いのシーンは2000隻もの大船団がぶつかりあい炎上するなどスケールの大きさと迫力に圧倒されました。中国は昨年北京オリンピックが開催されましたが、この映画も時期を合わせて作られ、撮影には国の軍隊が動員されるなど国をあげてバックアップし世界中に国力を示したといわれるようにまさに壮大な歴史物語でした。実は映画の主人公「曹操」とその子供・曹丕(ソウヒ、兄)曹植(ソウチ、弟)の3名は当時の有名な詩人だったのです。下記に紹介をしておきます。曹操のあと兄の曹丕が帝位を継いだのですが、実は弟の曹植が大変優秀な人だった事から、兄は、いつか弟に地位を奪われる事を心配して、かなり迫害していたといわれます。ある時弟に「私が7歩、歩く間に詩を連れ、出来なければ処刑する」と脅迫した時にこんな詩を詠んだといわれます。
七歩の詩 曹埴
豆を煮るに 豆萁を燃やす 豆は 釜中に在って 泣く
本是れ 同根より生ず 相煎る 何ぞ はなはだ急なる
「文意」 豆がらを燃やして豆を煮ている。釜の中では豆が熱いと泣いている。
同じ親から生まれてきた兄弟なのに、どうしてこの様に争うのだろう。
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