映画「おくりびと」に感動しました。
今月米国アカデミー賞を受賞した映画「おくりびと」を観てきました。私たちはいつかは大切な人を送る時(勿論送られる時も)が来るのですが、この物語は東京でプロのチェロリストをしていた本木(主演)が楽団の突然の解散で失業し、故郷に帰り、そこで見た求人広告「高給保証・・旅のお手伝い・・短い労働時間・・NKエージェント社」に応募するところから始まります。彼は社長から即座に「採用」といわれ、仕事の内容を訊ねます。社長(山崎)は、広告の文面には誤字とミスプリントがあった・・正確には「安らかな旅立ちのお手伝いをします・・・NKは納棺の略だ」と説明されて唖然。信じられない仕事に戸惑いながらも本木はいつの間にかプロの納棺師に成長してゆきます。夫の仕事を知って驚き、大変な嫌悪感を持った妻(広末)は里に帰ってしまいます。適度なユーモアーもあって感動的な内容でした。どこでも葬儀が終わると数時間後には焼かれて消えてゆく遺体なのですが、納棺師はこの儀式の直前のわずかな時間を仕事場としているとを初めて知りました。納棺師は故人が生前に最も輝いていた頃を思い出させるように、遺体を清め、剃髪や化粧を行い、衣服を着せ、美しく整えてゆきます。そして故人と遺族の間にたって、わずかな時間を美しく厳かに演出するのです。これまで私は誰もが最も目をそむけがちな仕事だと思っていたのですが・・・本当は「人を送り出す最後の時間の厳かな演出者」なのだと気がつきました。妻の広末もやがてこの仕事に理解を示しはじめ、夫を尊敬してゆきます。生と死は表裏一体のものだ、死に接してはじめて生きていることの尊さが解るものだと訴えているベテラン納棺師(山崎)の強烈な個性と圧倒的な存在感は大変すばらしいものでした。アカデミー賞作品にふさわしい感動的な映画でした。
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